コナクリ行きバスに乗るために朝の6時にバスターミナルへ行ったが、出発までにはかなりの時間を要した。国境までの道はよかったが、いかにせんフリータウンを出るまでに時間がかかりすぎて、国境に着いたのは昼だった。
イミグレに到着するといっせいに乗客が降りて、降りたところでイミグレスタッフがパスポートを回収した。そのまま進むと手洗いと体温を測るテントがあり、スタッフが名前や住所をノートに書き込んだ。エボラが発生したエリアでは国境でこの手のプロセスが追加されている。終わると金をくれと言うのでやんわりと断った。建物に入ると別のスタッフが個室に入れといい、そこで行き先やパスポートの内容を確認して金の請求をした。これも丁寧に断った。出国スタンプを押すところに来ると一番偉そうな人が個室に案内しスタンプをくれた。ここだけ賄賂請求を受けなかった。その後、本物か分からないインターポールと書かれた部署で賄賂請求を受け、ヘルスチェックでも賄賂請求を受けた。ギニア側も大体同じだが、何故かスタンプを押す人は賄賂を請求してこなかった。スタンプを押す立場までなると給料が跳ね上がるのかも知れない。
バスに戻ると運転手が屋根の荷物で税関と揉めていて、終わるまで一時間くらい待たなければならなかった。運転手は戻ってくると「6,500,000GFも払わされた!」と怒り心頭だった。700ドルも払ったことになる。賄賂にしては信じられないくらい高い金額だ。
不思議なことにこのバスは異様な数のマーガリンの箱が積んである。100箱はあるだろうか。乗客も皆、大きなクーラーボックスに氷と一緒にマーガリンを持っている。何故皆してマーガリンを持っているのか聞くと隣な女の人が、「ギニアではマーガリンを輸入してないからない。フリータウンで一つ5000レオン(75円)のマーガリンがコナクリでは25,000GF(308円)する」と教えてくれた。レオンとギニアフランのレートを考えても4倍近くで売れることになる。多分この箱をすべて売り切れば30万円くらいの利益が出るだろう。700ドルの関税なら大したことない。
イミグレの建物から直ぐの所にゲートがあり、全員10,000GF(123円)払った。運ちゃんが事前にいくら払うか説明するので、乗客たちは警察の前にお金を置くだけで立ち止まりさえしない。警察は次から次へと目の前を通る乗客から10,000GFを受けとるだけだ。なんとも不思議な光景だ。ここはさすがに厳しいかと思ったが、パスポートのギニアビザを見せると「ツーリストか?」と聞かれ、そうだと答えると通してもらえた。その先の掘っ立て小屋では荷物検査があり、ポケットの中を異様に調べられた。
全員バスに戻ると、何事もなかったようにバスは走りだし、今度はバスの運ちゃんがこの先のポリスチェックポストで一人5000GF(75円)だと言った。バスのスタッフが金を集めて回ると乗客はなんの抵抗もなく金を差し出す。「俺はチェックポストで金を要求されないから大丈夫だ」と言うとスタッフがいいから払えと言う。すると隣の女の人が「彼はパスポートがあるからさっきも金を払わなくてよかったんだ」と説明してくれた。今度は前の乗客が「私もパスポートあるわよ。私もお金は払わない」と金を返して貰おうとすると、隣の女の人は「彼のはインターナショナルパスポートなのよ!」と一喝した。どういうわけかそれでみんなが納得して落ち着いた。インターナショナルでないパスポートなどあるのだろうか?
そのあとコナクリまでに3つの検問があったが、インターナショナルパスポートは見事なまでに効力を発揮し、お金を払うことは一度もなかった。
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