ヴィダの見所を昨日全て見てしまったので、トーゴへ抜けることにした。と言っても、国境までは60km程度で、トーゴの首都ロメまでも110kmと大した移動ではない。ちなみにロメの西はもうガーナ国境だ。ベニンもトーゴも異様に幅狭な国だ。
ホテルの前でロメ行きのシェアタクシーを拾い、一時間程で国境に着いた。この国境は実に南ア-ナミビア国境以来となる、両国共にイミグレで賄賂請求のない国境だった。こんな当たり前のことがアフリカでは本当に奇跡のように感じる。全くなんて清々しい国境越えなんだ。
トーゴに入ると景色がのどかになった。ヤシの木が生え、すこしいくと右手にトーゴ湖や畑が見える。左手は大西洋の砂浜が延々と続いている。ベニンに比べるとさらに発展途上なのかなと思える。
たが、ロメに近づくとやたらと工場が目につくようになり、それらを通りすぎると、どこまでも続くビーチと海岸通り沿いのヤシの木の列が現れた。どこか南国のリゾート感がありピースフルだ。砂浜では漁師達が力を合わせて、網を引いている。なんかコトヌーとは違う雰囲気だ。
バイタクでロンプラに載っていた一番安い宿に行って、値切って5000CFA(1,000円)にしてもらった。中部、西アフリカでは1泊5000CFAがボーダーになってきている。
ロメの足はバイタクで、他のアフリカ諸国で走っているミニバンが見当たらない。遠くなければ100~300CFAくらいで行ってくれて便利だが、あまり使い過ぎるとそこそこの出費になる。
まず、ガーナ大使館へ行きビザについて聞いてみたが、居住者のみにしか発行してないと窓口であっさり断られた。折角、渡航目的をレターにしてきたので、出してみるが取りつく島もない。ガーナビザはここのところレゴス、コトヌー、ロメと立て続けに断られた続けている。アンゴラ、コンゴ民主、ナイジェリアと難関を終えたと思っていたビザ取得が、ガーナビザは思った以上に大変だ。残りはワガドゥクか、トーゴとの国境で150ドル払って入国するかだ。
気分を切り替えて、ロメで一番有名な観光名所、フェティッシュマーケットへ行くことにした。これはヴードゥー教で使ういろいろなマテリアルが売っている市場だ。ここは結構期待してただけに、ガッカリした。市場の作りが何となく観光地にある土産物やのような感じで、特に活気があるわけでもなく、現地人が呪術のマテリアルを買い物してるわけでも、呪術師に相談に来てるわけでもなかった。市場なのに入場料を取るのもどこか納得いかない。唯一の救いはガイドがついて、いろいろと説明してくれて、呪術師にも会ってどんな呪術があるか教えてもらえる事だろう。
ヴードゥーは神道にちかく、旅の安全、家の安全、恋の成就などそれぞれ呪術師が、呪術をかけるアイテム(御守り)があり、それらを買い、呪術をかけてもらうという感じだ。病気を治してもらったりするのには動物のミイラや骨を使うようだ。
旅の安全の御守りは赤く塗られた短い木の枝に穴が開いていて、その穴に行き先を三回告げる。その枝と紐で繋がった先の尖ったもう1つの木をその穴に入れると、そこに着くまで安全に旅する事ができるという。
恋成就のは、これまた小さな木でできた御守りで、それに向かって三回相手の名前を告げ、香水を振りかければ、その恋は成就する。
ちなみに値段は決まっておらずら呪術師が貝殻を4つ投げて決める。何を見ているのかは分からなかったが、落ちだ貝を見て15,000CFA(3,000円)と言われた。しかしこれは頼んでもいないのに、こちらの顔色を見てすぐに7000CFA(1,400円)まで落ちた。多分頼めば2000CFA(400円)くらいにはなりそうだ。
夕方にビーチを歩いた。果てしなく長いビーチでは子供たちが水際で遊んでいる。ヤシの木の木陰にはたくさんの人がベンチで寝転がっている。朽ち果てた桟橋の先では、釣りをする人が糸を垂らしてじっとしている。ロメのビーチはどこまでも続く。
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