ヌアクショットには1泊しかしないので、朝早くサンルイを出ることにした。テントをたたみ、起きてきたミナちゃんに別れを告げ、8時前には宿をでた。
セットプラスは相変わらず荷物代で揉めたが、今回は押しきった。国境までは道もよく、一時間くらいで到着。国境の船着き場へ歩いていき、出国スタンプをもらい、残ったCFAをモーリタニアの通貨ウギアに両替した。長いこと使ってきたCFAともこれでお別れだ。西アフリカを旅して、東アフリカより便利だと思ったのはこの共通通貨くらいだ。
国境の川を無料の船で渡るとモーリタニアのイミグレがあり、その外はロッソの町がある。イミグレで55ユーロ払いビザをもらい、入国スタンプを押してもらった。軽い賄賂請求があったが、無視し続けると難なく通れた。モーリタニアイミグレは感じの悪いやつといいやつが交互に出てきて、どっち付かずな感じだ。ビザをくれた男は良い態度で、スタンプをおした男は賄賂を請求。税関は笑顔でウェルカム トゥ モーリタニアと言って、そのあとに訳の分からない荷物代金を感じの悪い男が回収するといった具合だ。
ロッソからはセットプラスで3時間ほどでヌアクショットに着いた。モーリタニアの首都は恐ろしいくらい魅力のない街並みだ。建物も特徴がなく、これといった都市計画が感じられるわけでもない。きっとなるようになって出来上がった町なのだろう。
この町は決まったルートを走るシェアタクシーが市民の足になっていて、旅行者にはルートがさっぱり分からない。かといってタクシーチャーターだと2000ウギア(615円)と馬鹿な値段に言ってくる。ルートタクシーを乗り継いで目当ての宿にたどり着くのにかなり苦労した。
モーリタニアは今までの西アフリカの国とはかなり異なる。まず、人がアラブ系になる。正確にはアラブ人とベルベル人の混ざったモール人と言うらしい。黒人もいるが、ブラックアフリカから来ると、かなり少なく感じる。そして皆、見たことないローブのような物を着ている。水色が圧倒的に多く、白や青もよくみかける。イスラム教の国でみる服装とも違うし、まるで僧侶のような服装で聖職者のようだ。最後に車のなかでかかっている音楽がアフリカンミュージックからアラブ系にかわった。スーダンで聞いたような音楽で三味線のような音色の弦楽器にあわせて、男の人が熱唱している。これはもはや、アフリカから出てしまったような気分になった。
テントを張り終えて、暗くなる前に町を歩いて回った。これといった見所のないヌアクショットで辛うじてお勧めできるのはグランモスクとマルシェ キャピタルだろう。特にマルシェ キャピタルはこの小さな首都にしたはなかなかの活気があり、ローブを着た男たちが密集しているのは、今までにない絵だ。
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