2017/APR/12 「アイト ベン ハットゥ」

以前モロッコを旅したときに行こうと思って、行けなかった場所にアイト ベン ハットゥがある。モロッコにはカスバと呼ばれる古い集落が多くのこっていて、その内で一番保存状態が良いので世界遺産にも登録されているものだ。

マラケシュからはワルザザード行きのバスに乗り、ワルザザードの手前の分岐で降りて、ミニバスに乗ればよい。モロッコの移動が西アフリカと違うところはバスの時刻表があるところだ。西アフリカでは時刻表がなく人が集まらないと出発しないので100km程度の移動でも丸一日使うことがざらだ。

アイト ベン ハットゥの周りは他のモロッコの観光地と変わらず土産物屋とホテルだらけだった。多分こんなに土産物屋の多い国はアフリカには他にない。大きなバスが何台もやって来て、ヨーロッパや中国からの観光客がひっきりなしにやって来る。それに加え、モロッコ人の観光客もやってくる。どうやら今はモロッコのホリデーらしく、このモロッコ観光客の数が半端ない。モロッコはアフリカの中で数少ない工業化に成功した国で。格差こそ酷いが国民の平均所得もそこそこ高い。ここには日本人も来るのだろうが、日本人はGWやお盆休み、年末年始しか旅行をしない民族だ。

土産物屋の坂を下るとアイト ベン ハットゥが川越しに現れた。この姿はなかなかの物で、数々の映画の撮影で使われたのも頷ける。だが、聞くと撮影の時に建てた建物の一部はそのまま残され、アイト ベン ハットゥの一部になっているらしい。手前に見える立派な門も映画セットらしい。。。

入口横に小高い丘があり、登ってみるとそこも素晴らしい景色だった。よくもこんなものを作ったものだと感心する。カスバの中にはいると土産物屋の客引きが常に話しかけてきて、外から見るほどの情緒は感じられない。今でもなかで暮らしている人がいるにはいるが、殆どが観光客相手の商売なので、生活を垣間見ることはできない。

荷物を預かって貰った土産物屋に10DHほど渡して、その日のうちにワルザザードへ向かうことにした。アイト ベン ハットゥは元々町があったわけではないので、ツーリスト用の高いホテルやレストランしかないし、ここに泊まることに一切魅力は感じなかった。

アイト ベン ハットゥからワルザザードは大した距離ではなくすぐに着いた。ワルザザードも中心部にあるカスバの周りは観光客用のホテルと土産物屋、レストランばかりで、なんとも言えなかったが、カスバから離れるとわりと普通の町で古い路地や安食堂も多く、悪くなかった。カスバは夜になると赤から黄色、緑、青と色の変わるLEDのプログラム照明が灯り、情緒をぶち壊していたが、モロッコ人には評判が良さそうだった。みんなが喜んでいるということはこれでいいのかもしれない。
























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