2017/JAN/4 「幻の5ヵ国VISA」

東アフリカにケニア、ウガンダ、ルワンダを含む東アフリカVISAがあるように、西アフリカにも複数国共通のVISAがある。これは5ヵ国VISAと呼ばれ西アフリカの旅人の間では幻のVISAと言われている。7年前に友達が西アフリカを旅したときにはこのVISAは発給されておらず、取ることは出来なかったという。

だが、最近旅した旅人はこのVISAを取得したと言っていたので、復活したのかもしれない。このVISAが幻と言われる所以は取得できる場所が少ないからだ。ブルキナファソ、コートジボアール、トーゴ、ベナン、ニジェールに各1度ずつ入国ができ、最大2ヶ月滞在できるのだが、取得できるのはブルキナのワガドゥクかニジェールのニアメのみだ。居住国でも取れないし、世界でこの二ヶ所でしか取ることが出来ないのだ。

アガデスから18時間のバスでニアメに着いたのは夜で、もうニジェールでは当たり前になってきたバスターミナル泊をした。

翌朝、5ヶ国ビザを取るためにDSTというオフィスへ。パスポート写真二枚とパスポートコピー、25,000CFAを支払った。申請書はその場で書き提出。とても簡単だ。そして午後4時に受け取りに行くと無事に5ヶ国VISAが取れた。幻とまで呼ばれるわりに図分すんなり取れた。だが、最近コートジボアールがこの協定から脱退したらしく、コートジボアールには個別にビザを取らないとならないと説明された。このVISAはニアメかワガドゥクでしか取れないので、5ヶ国VISAの取得前に二アメかワガドゥクに行くためのVISAが必要になる。そしてコートジボアールが含まれないとなると、実質3ヵ国VISAだ。5ヶ国と呼ばれるわりにはそこまでおいしくないVISAだ。

ニアメはこれといった見所がなく、見るところといえば町のすぐ横を流れるニジェール川と国立博物館くらいだと思う。ニジェール川はニジェールやナイジェリアの国名の語源になった川で、アフリカでは3番目に長く、過去この川流域にはソンガイ王国、マリ王国、ガーナ王国、ハウサ諸王国という国が興った。

川に架かる橋の手前の立体交差からの景色はなかなかで、茶色く濁ったニジェール川が悠々と流れていくのが見える。

国立博物館は旅行人アフリカ編に、併設の動物園では暑さで動物たちがグッタリと書いてある通り、皆グッタリしていたが、皮膚が弱いので日中は水の中で過ごすはずのカバが、思いっきり日向で草を食っていたのには驚いた。博物館の中には民俗資料館があり、ニジェールの代表的な民族衣装を着たマネキンが一体一体ガラスケースに入っていて、何故かマネキン達は電動で回転していた。この民族とハイテク感の組み合わせは新鮮だ。

観光を終え、ビールを飲むために市内のホテルのバーへ行くとなんと日本人らしき男がカウンターでビールを飲んでいた。話しかけるとODAで小学校の建設のために来ているという。こんな日本大使館もない、退避勧告の出ているような国に仕事で来る人がいるのかーと驚いたが、彼曰く、今ニジェールには彼含め日本人は3人しかいないらしい。彼はODAのプロジェクトを入札した設計事務所から派遣されてきていて、残り2人はJICAだという。JICAはニジェールにはボランティアを派遣してないが、ODAの資金はJICAを通じて払われるので、プロジェクトの管理や現地政府のとやり取りのため滞在しているらしい。

ニジェールは西アフリカの中でも治安の悪い方で、ニアメ市内以外には外務省のレベル3、レベル4の勧告が出されている。そんな国に3人というのはどんな心境なのだろう。















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