2017/JAN/7 「オスンの森」

以前イラン、アルメニア、グルジアを一緒に旅した友人から年末年始ナイジェリアに旅行しているとメールが来ていた。1月の10日までオショボという町にいると言うので、レゴスに行く前に寄ることにした。

昨日はカンタゴラで闇両替に手間取り出発がおくれ、オショボに着いたのは深夜だった。カンタゴラからの道は、舗装されていたが、爆弾でも落とされたのではないかという大きな穴が幾つもあり異常に時間がかかった。カンタゴラの人曰く眠らない町だというイロリンには10時くらいに着いたが電力事情が悪いようで町中真っ暗だった。昨日、あのバスに乗っていたら、ここに夜中の2時に着いて茫然としていたことだろう。

友達は現地の染め物アーティストと付き合っているらしく、今回の旅行は彼に会いに来たのが目的のようで、滞在の殆どの時間をオショボで過ごしていた。日本から他の友人も連れてきているという。

今日は朝にホテルロビーで集まり、オショボまできたのだから世界遺産にもなっているオスンの森へ行こうということになり、案内して貰うことになった。

オスンの森と言うのは、ナイジェリアの三大民族の一つヨルバ族の聖なる森で、数年前に亡くなったオーストラリア人のアーティストが50年近く住み続け、彫刻を作っていた場所だ。

森はそんなに大きくなく、中にオスン川が流れている。参道の両側にはヨルバ族の奇妙な精霊のオブジェが並んでいる。新しいものも多く、別に大昔からあるって訳ではないらしい。カメレオンが崇拝されているのか、カメレオンがモチーフの像や門が多く見られる。これらは基本的にコンクリートに塗装なので、まったく重厚な雰囲気はなく、二流テーマパークの雰囲気だ。これはアフリカらしいといえばアフリカらしい聖地だ。

森には神殿があり、神官が一人、扉の前に座っていた。神殿の壁はカラフルな絵が書いてあるが、これは例のオーストラリア人のアーティストによるものだそうだ。奥にはコンクリートの観客席のような無骨な構造物があり、8月にあるお祭りの時に使うのであろう事がうかがえた。森の外にはオーストラリア人のアーティストが作った巨大なコンクリートオブジェがあり、それを我が物顔で話すガイドを見ると彼女がヨルバ族にいかに受け入れられていたかがわかる。

レゴスを含むナイジェリア南西部に暮らすヨルバ族の現代の生活には、ヨルバ帽以外、伝統性は殆ど見ることが出来ない。この二流のテーマパークのような森がヨルバの伝統を残す数少ない場所であることは確かだ。





















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