案の定、カメルーン山登山の筋肉痛が襲ってきた。しかも、これは登山初日の分で、登山二日目の分は明日やって来るはずだ。
昨夜はジュリアの家に到着すると、ジュリアの同居人でドイツ人とシオラレオネ人のハーフのエミリアが、ちょうどドゥアラから戻ってきたところだった。ドイツ人が混ざっているといっても、アフリカの血が強いらしく、見た目はほぼアフリカ人だ。黒人よりは肌が白いが、テンパーだし、黒人のおばさん並みに太っている。ただ、この辺りにはハーフの黒人はいないので、黒人から見ると彼女はホワイトになるらしい。エミリアは「市場でホワイト、ホワイトと指を指された」と迷惑だけどすこし嬉しそうな表情をうかべた。
今日はリンベに行こうと思っていたら、クンとエミリアも来るといい、一緒に行くことになった。
ボイアからリンベは日帰りで十分な距離で、行ったことのあるエミリアが案内してくれることになった。リンベには火山岩からできた黒い砂のビーチがあるという。
リンベはまとまりのない町で、海沿いも開発が進んでいるわけではなかった。もっと海沿いにツーリスト用のレストランやバーがあるものだと思っていたが、レストランが数件、点在するだけで、通りからはビーチすら見えなかった。海岸のレストランからは石油を掘るプラットフォームが3つくらい眺められる。こんな近くで掘ってるかーというくらい近い。ビーチは町の外にいくつかあり、道路から未舗装の道を降りて行くと真っ黒の砂のビーチがあった。
これまでの大西洋側のビーチ同様、海の色はグレーで波がたっている。ビーチにはペットボトルやゴミが散乱していて残念だ。南アから北上を始めて、何度も大西洋側のビーチを見てきたが、毎回ガッカリする。ロンプラもよせばいいのに、良さそうなことを書くから、どうせ大したことないだろうと分かっていても、微かな希望を元についつい行ってしまう。そもそもインド洋とは海の色が違うので、東アフリカでインド洋を見てきた旅人には、たいして感動はない。
リンベで良かったことと言えば、ワイルドライフセンターくらいだ。密猟のハンターや違法トレードから救われたゴリラやチンパンジーが保護されている。と言っても見た目は完全に動物園だ。だが、この施設を動物園とよんだときのジュリアの怒り具合は、この施設が動物園とは違うということを認識するのに十分だった。動物園は見世物で、ここは保護を目的としているとのこと。
アフリカで、まだゴリラを見たことがなく、本当は野生のゴリラを見たかったが、取り合えずここでゴリラを見てみることにした。ゴリラの雄はかなりデカイ。特に胸と腕が異様に大きい。しかもゴリラはたまに立ち上がったり、素早く走ったりする。スゴい迫力だ。ウガンダやルワンダのゴリラトレッキングは、こんなのと森の中で遭遇するのだろうか?半端ない力で一つ間違ったら殺されかねない気がするが。。。。だが、こんなデカい野生のゴリラに森の中で遭遇したら、スゴい感動することは間違いない。ウガンダでバカ高いパーミットを取って、ゴリラトレッキングに行く人の気持ちもすこしわかる気がした。