2016/DEC/27 「ゴザレストラン」

昨日申請したニジェールビザは何の問題もなく、今日受け取れた。こんなに対応の良い大使館は久しぶりだ。

ンジャメナの町はグランモスクとマルシェくらいしか見所がなく、それらも特別すごいわけではなかった。町並みも面白いわけではなく、歩いていても綺麗ではないし、砂ぼこりが酷いだけだ。しかも、この国は写真が取れない。町中で取ると警察が来たり、人に呼ばれて、「何を撮ってるんだ?許可証は持ってるのか?」と質問をうける。人に写真を取っていいかと聞けば必ずダメと返ってくる。中央アフリカも写真が撮りづらく、最近はまともに写真が撮れてないので旅の気分もいまひとつ上がらない。

チャドは一見ムスリムの国かと思っていたが、実はクリスチャンやローカルな伝統宗教も結構ある。ムスリムの割合は50%強といったとこらしい。しかし、クリスチャンは南部に住んでいるので、北部や首都ンジャメナ周辺ではムスリムが圧倒的だ。ンジャメナで外を歩いている人はターバンを巻いて、イスラム服というのが多い。さらにチャドは砂ぼこりが酷いのでターバンを口にも巻くし、日差しが強いのでサングラスをかけるので、一見みんなテロリストに見えるので怖い。普通の格好なのだろうが、どうしてもイスラム過激派っぽく見えてしまう。さらに町には警備のため、軍人がビックアップトラックの荷台に乗り込んで、カラシニコフ片手に巡回している。この警備兵たちも軍服はばらばらだし、先述の口まで巻いたターバンとサングラスのせいでツーリストにはボコハラムと見分けがつかない。トラックにポリスと書いてなければ、逃げだすところだ。

ンジャメナでは昨年ボコハラムに市場と警察施設を攻撃されただけに、まだ警備はかなり厳重で、かなりの数の警備兵が配備されている。ボコハラムも警察施設を襲うというのがすごい。本気で戦争する気だ。

国境をまたぎ活動をしていたボコハラムに手を焼いて、去年からナイジェリア、チャド、ニジェール、カメルーンが協力して封じ込み作戦を進めているので、ボコハラムはチャド湖周辺に追いやられたと聞いた。追い詰められたボコハラムはテロを頻繁に起こして抵抗を強めている。チャド湖は今、アフリカで絶対に近づいてはならない場所だ。

町を歩いていても常にジロジロと見られる。そしてカメラを見られると必ず「ジャーナリストか?」と聞かれる。この国でカメラを持っている外国人はツーリストではなく、ジャーナリストなのだ。中央アフリカでもそうだったし、ソマリランドも同じだった。

こう言うと人が良くないように聞こえるが、普通にいい人もたくさんいる。道も親切に教えてくれるし、ジャポンと言えば反応もいい。ただそんなに旅人にはかまってこないだけだ。

チャドのレストランは今までの中部アフリカの国とはだいぶ違う。薄暗い窓のない建物の入り口にカーテンが掛かっていて、入口で食券を買う。それを中でスタッフに渡すと、料理が運ばれてくる。中はゴザが敷いてあり、靴を脱いで座り、手を洗う水が料理と一緒に銀のトレーで運ばれてくる。レストランは男しかいなく、皆ゴザの上で好きなところに座って黙々と飯を食べている。勿論普通のもっとオープンなレストランもあるが、客が入っているのはこのゴザレストランだ。料理は数種類あり、ヤギを煮たもの、内臓をスパイスで炒めたものなどで、フランスパンかライスと一緒に食べる。特に面白くないンジャメナで良かったのは、このゴザレストランくらいだ。










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