昨日はタクシーの運ちゃんに手当たり次第に聞いてもらい、やっとの思いで、調べていた宿にたどり着いたら、宿の人は寝ていて、警備の少年に起こしてもらい、ベッドに横になるまで長い時間を要した。起こされたオーナーも不機嫌で、誰もいないドミに通されて「ベッドは1つだけしか使っちゃダメだからね」と念を押された。
今朝、説明を受けると、ミッション系のこの宿は夜9時に表の鍵を閉めてしまうので、それ以降は宿に入ることは出来ないらしい。英語の通じないかなり高齢のスイス人の旦那とウェルカム感ゼロのカメルーン人の肥った奥さんとその家族とひとつ屋根のしたで、建物の中でも家族の使うリビングやキッチンは使ってはいけないという。居心地がいまひとつの宿だ。それでもカメルーンの首都、ヤウンデでは5000CFA(1,000円)で泊まれる宿を他に探すのは難しいだろうから、殆どの金のない旅人はここに泊まることになる。ここの飼ってる犬は、元気がよく、尻尾を振ってじゃれてくるが、ガツガツと当たってくるので痛い。
昨日の事故で痛めた腕は痛いし、荷物はびしょ濡れなので、今日はここで休むことにした。洗濯をして、バックパックと靴を干して、近くの屋台に朝飯に出掛けた。
ヤウンデは屋台がとても多く、飯には苦労しない。焼き魚やビールも国境よりも若干安いくらいだし、カットフルーツ屋が多く、パパイヤ、パイナップル、オレンジ、スイカと種類も豊富だ。ただ、コンゴ、ガボンであれほど見かけたマンゴーは見かけない。多分季節が少しずれているのだろう。
焼きたてのフランスパンを売るブランジェリアもガボンとかわらずたくさん存在する。フランス植民地だった国では、パン屋ではクロワッサンとパンオショコラが置いてあるが、店によって味と値段はバラバラだ。ガボンとコンゴは共通点が多かったが、カメルーンとガボンもコンゴにはない共通点が多い。カメルーンとコンゴ民主は流石に共通点が無くなってくる。こうやって文化は少しづつ変化してゆく。こういうのがはっきりと感じられるのが、陸路の旅の良いところだろう。
小アフリカと言われるほど、自然の変化の多いカメルーンを抜けると、もうこの旅で熱帯雨林を見ることもないだろう。チャドやニジェールはもう砂漠だ。そう考えるとカメルーン南東部のコンゴ国境近くのジャングルに住むバカピグミーも、見に行くべきだと思えてきた。もうすぐジャングルともおさらばなのだから。