ラーユーンはスペイン統治時代はへんきょうの燐鉱山の町だったが、スペイン撤退後はサハラアラブ民主共和国の首都とされている。といってもサハラアラブ民主共和国政府はアルジェリアにいるので、完全にモロッコの支配下にあり、ここに住む人達もモロッコから移住してきた人達だ。
ダクラを12時に出発して、ラーユーンには夕方7時半に到着した。ダクラの町を出ると半島をすこし走るのだが、一切の人工物もなく、乾燥した大地に水色の水面が美しい湾が眺められた。浜辺を歩く人がポツンと見えたが、全く観光化されているはずもなく地元の人間だけが遊びにくるのだろう。
ラーユーンはダクラよりも大きく、建物の密度が高い。なによりも町として完成している感じがある。バスターミナルは町の外れで、安宿を探していると通りがかった姉妹が手伝ってくれた。出来るだけ安い宿と言うと、親戚の家につれていかれ「ここでいいか?」と聞くので、親戚の家に泊まれるのかと思ったら、その親戚から宿泊拒否された。
その後、姉妹は近くのかなりローカルな宿に案内してくれたが、そこでも何故か宿泊拒否されたので、中心部で宿を探すことになった。町の中心はチィラと呼ばれる所で、2つのランダーバートが隣接して、脇には公園があった。ここは街灯や店の明かりで夜でもかなり明るかった。公園には大勢の人がいて、噴水では子供達が遊んでいた。ダクラといいモロッコは夜も人が出歩いていて賑やかだ。
広場の近くに何とか安い宿を見つけて、荷物を置いてから夕飯に出掛けた。宿の近くには屋台が並んでいて、鉄板で焼いた小さなハンバーグやソーセージをパンに挟んで売っていた。これらは驚きの安さで一つ5DH(55円)とカフェオレ一杯よりも安かった。オレンジジュースがグラスで売られていて一杯1DH(11円)と水以下の値段だ。ラーユーンまでのバスの休憩所で食べたタジンは35DH(385円)もしたのに、ここでは夕食が6DHで済んでしまった。モロッコに来たのは15年も前なので物価も覚えてないが、現地人の生活物価はこんなものなのかもしれない。ダクラもラーユーンも宿は800円くらいで西アフリカとそう変わらないが、どこもwifiとホットシャワーがあるし、部屋も西アフリカの安宿に比べるとはるかに清潔だ。ここにはモーリタニア以南とはもはや完全に違うスタンダードが存在している。もうブラックアフリカは抜けたのだ。
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