今日は朝から忙しい。昨日、日本大使館で頼んだ赤道ギニアビザのためのレターを10時に取りに行く約束をしている。その前にサントメ大使館へビザと船の情報を聞きに行かなければならないし、出来れば港に行って船を確認したい。レターを貰ったら赤道ギニア大使館へ申請に行く。
先ずはサントメ大使館。大使館は入口が分かりずらかったが、中に入るとすんなり領事担当に会えた。ビザは40,000CFA(8,000円)で所要二日だった。肝心の船は聞いても、飛行機だと言われるだけだった。英語が通じないので何を言ってるかは今一つわからないが、飛行機というのは理解できた。船はないのだろうか?日本大使館で聞いたときは不定期だが、あるとは言っていた。
その足で昨日日本大使館でサントメ行きの船が出ると教えて貰ったPort
Moleに行ってみるが、誰に聞いてもここにはサントメ行きの船はないと言う。もっと南にある、Acaeというところから出てるという。もう大使館へ行く時間なので、これは後にして日本大使館へ向かう。
昨日会った領事は約束通り、レターを用意してくれていた。ついでにカメルーン国境行きのバスや、赤道ギニア大使館に陸路国境が開いているか、電話で聞いてほしいと頼んだ。ビザ代金も大使館から聞いてくれと頼んだがそれは前日に断られていた。かなり渋られたが、赤道ギニア大使館に電話をしてくれることになり、「ビザを持っているなら陸路でも入れる」と返答を得ることができた。あとはビザ代金だ。
大使館を出て、タクシーを捕まえて、赤道ギニア大使館にむかう。すこし遠かったが、なんとかたどり着けた。が、入口でタイパンツとサンダルはダメと入館拒否にあって、一時撤退を余儀なくされる。宿へもどり、長ズボンに着替えようと思ったが、早起きして洗濯してしまったことを思い出した。唯一の長ズボンは今朝洗ったばかりだ。当然乾いてないので、日の当たる場所へ移して様子を見ることにした。とにかく乾かねば赤道ギニア大使館へは行けない。
午後の2時過ぎにしっとりしていたが捌けるので、長ズボンにトレッキングブーツ、さらにワイシャツまで着て、再度赤道ギニア大使館へ。宿のあるガール ルーティエから赤道ギニア大使館近くまでミニバスが走ってることを発見したので、安く済んだ。
天気が良くて助かったが、暑くて一気に汗が吹き出す。ガボンは本当に暑い。しかも日本の夏のように蒸し暑い。走ってはダメだ。はや歩きも良くない。歩くときはユックリ、荷物は持たず、移動はなるべく乗り物で。
赤道ギニア大使館につくと、今度は中にいれてくれた。入口の脇の冷房のよく効いた小屋に通されて、そこで机に座った男にビザがほしいと告げると、一言目に「400,000フランだ」といった。まだ国籍も告げてないのに。ちなみに400,000CFAは8万円也。信じられない値段だ。今までで聞いたなかで断トツ一番だ。
赤道ギニアはスペイン語圏なので、交渉をすることが可能だった。スペイン語で「なんで正規の値段ではダメなんだ?前にビザを取った人はもっと安かったぞ」とゴネると、建物の中に行って、領事と話せということになった。中に入るとカウンターのような机に一人の男がいて、その男に聞いてみると、やはり400,000CFAだという。これは人をみてランダムに値段を決めているのではなさそうだ。少なくとも、入口の小屋の男とこの男は一言目で迷いなく、400,000と述べた。外国人が来たら、その値段を言うという取り決めができている感じがする。もしくは正規で8万円。
まーそうはいってもそんな値段の訳はない。かまをかけて「前に行った友達は36,000CFAでビザを取った」と言うが、「そんな筈はない」としか言わない。30分くらい粘ってみるが、らちがあかない。男は必要書類の書かれた紙と申請書を渡してきた。それにはホテルの予約と往復航空券も必要とかいてあった。「じゃーいくらなら払えるんだ?」と一瞬突破口が見えたが、「40,000CFA(8,000円)」と言うと無表情で「不可能だ」と言われた。「必要書類と400,000CFA(8万円)を持ってくれば2日後に発行してやる」と言い、もう閉めるから出ていけと追い出された。
赤道ギニア大使館、噂に違わぬムチャっぷりだ。赤道ギニアはジャーナリストの入国を制限し、国内でも情報統制が行われ、中国に並びFacebookが開くことの出来ない数少ない国だ。一体何をそんなに隠しているのか?旅行した人によると世界最悪のワイロ大国らしく、入国した人はどんなに良い時間を過ごしても、警察や軍のワイロ攻撃でそれが帳消しになるらしい。トランジットで首都マラボを経由したら、入国しないのに空港でパスポートを取り上げられ、賄賂を請求されたという旅人もいるくらいだ。